青山文平『本を売る日々』を読む。

青山文平作品。やっと青山作品の新しいのが図書館にあって嬉しくなって借りてきて直ぐ読んでしまった。松月堂という物之本を扱う。本とは根本の本・本来の本という。

『本を売る日々』

私は紙屋をやっていたのだが本好きが高じて紙屋を弟佐助に譲り本屋になった。

お得意さんの名主惣兵衛が本が好きで本を読むと色を好まず喜び深いと言っていたのだが71歳で後添えを貰ったという。女郎上がりの17歳の女だという。

惣兵衛宅を訪れ嫁にも本を見せてやって欲しいといわれて見せてる間に画集がなくなった。万引きされたのだ。どうすべきかで悩んでいると惣兵衛は高額のお金を包んでよこした。その本は相手先が決まっている本だった。孫のような女を妻女にした理由は・。

「鬼に食われた女」は私が霧の深い深い峠で道に迷った。美しい女性が通りかかってつい声をかけて同道することに。女性は朱色の綴糸のような糸を出して端を持たせてくれた。「あなたが怖いのではなくて私は鬼に食われたと思っていたけれど私がくったのかもしれない。」といいつつ。同じような話。和歌を通じて知り合った武家の次男坊と名主の娘は次男坊が家老の娘と結婚させられた。振られた女は和歌で塾を開くほど名をあげ入門してきた若い男に惚れられるも犯されたと女は藩に訴え出た・・・。その男はかっての男の息子だった・。

「初めての開板」は姪が喘息で通っていた村医者の話は隣村の名医の口訣集をかって入門の面接に行った時に盗んで面接をしないままいなくなったという。心にずっと罪の意識でいたのを名医が代替わりがするという噂を聞き私に相談に・・・・・。

名医は言う。「医はひとりでは進まない。みんなで認め合い叩き合わなけば・・・。」

名医の口訣は自由なものだから気にせず返すことなく人を助けることに・・・・。

やっと初めて本を自主出版することになった。その口訣集を。

貝原益軒塙保己一など古書や中国からの古書などたくさん出てくる。)

☆☆☆☆