久坂部羊『嗤う名医』を読む。

久坂部羊作品。大阪大医学部出身の作家。6編の短編が収録されてる。

医者の書いた本だから怖い話や医者も人間だという話や医者の超多忙な話など。

『嗤う名医』

「寝たきりの殺意」は

脊椎管狭窄症で寝たきりになった高齢の男が息子の嫁と思ってる女の介護に腹を立ててなんとか殺そうと計画を練るのだが実は寝ているところは老人施設。痴ほう症だった。

「シリコン」は容姿・性格も不運な人生と思っていた女が乳房だけは良くしようとシリコンをいれて男相手の仕事で稼ぐのだが乳房に不具合ができてやっと手術のできる病院に行くと気楽な手術をしたかった医者に乳房全部を取られてしまう。復讐を・・・。

「至高の名医」は全国指折りの名医といわれた男が術後に診察に来ない男が再発していて死亡した。それにはちょっとした見逃しがあった。正直に打ち明けようとしたが・。

「愛ドクロ」は医学部の解剖学講師の男は骨に異常な美を見る男だった。動物の骨蒐集家の友達となんとか本物の人間の美しい骨を得たいと・・・・・。

「名医の微笑」は名医といわれ完璧な手術をし患者にたいしてやさしくなんでも対応する医者のはけ口は秘密の会員組織の異常な男と女の秘義の場所だった。

「嘘はキライ」は嘘が嫌いで嘘を見破ることができる男に病院の教授選考の派閥に巻き込まれている友から相手の嘘を見破って有利にしてほしいと頼まれる話。

(患者のわがままに苦悩する医者・ちょっとしたミスも裁判になる医者とそのはけ口など医者も大変だ。)

☆☆☆

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