#諸田玲子『再会』を読む。

諸田玲子作品。読むのは2冊目。時代ものが軽妙なタッチで描かれている。

副題に「あくじゃれ瓢六」とあるようにシリーズの本らしい。

『再会』(あくじゃれ瓢六)

主人公の瓢六はあだ名で本名は六兵衛という。長崎生まれ・学識豊富・通訳・男前で江戸に出てきて悪事で捕まったところを同心に助けられてその手伝いみたいなことをしている。愛妻を火事で失ったばかり。口八丁手八丁。

「再会」は瓢六が身分を隠して住む不良旗本の長屋。大家は他所に女を囲い、奥方は役者に目がない。そんなふたりから貴重な着物を預けられて金の無心と役者との道行きを同時に頼まれるのだが・・・。

「無念」は愛妻を失ってなにもする気がない時にかってお世話になった親分の一大事が。孫娘が悪奉行と組んだヤクザの倅の嫁にと言ってきたのだ。断りに行った先で親分は殺される・・・。瓢六はなんとかしないと・・・・。

「甲比丹」は老中水野越前守は蘭書・蘭学の取り締まりを強化していた。長崎生まれの瓢六は親分の敵というのもあり蘭学者の老人の保護のために人肌脱ぐ。

「縁者」は南町奉行の蟄居や戯作者柳亭種彦の拘束などが続くなかでなんとか挽回しようと瓢六たちは相手の密貿易などの秘密を暴いて反撃しようとする。

「でたらめ」は長崎から手代が江戸に出てくる。瓢六の実家でも規制が厳しくなったという。手代は道中で知り合ったいい女を連れてきたのだがどうも怪しい女。

「毒牙」は仲間の絵師が捕まった。瓢六が助けに走るのだが右手が潰されていた。

「泣き所」は恩師の息子がさらわれた。悪奉行たちの反撃だった。瓢六はヤクザの弱みをつくべく牢に入って相手の弱みを調べて人質の交換を持ちかける・・・。

(テンポのいい会話が持ち味。スーパーマンの瓢六の活躍も面白い。)

☆☆☆

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