#須賀しのぶ『芙蓉千里』を読む。

須賀しのぶ作品。作者の本は5冊ぐらい読んだだろうか。今回の本は戦前に中国のハルピンの女郎屋に売られた幼い少女二人が下働きを経て女郎屋のトップのお職と芸妓としてハルピン中に認められる芸妓になる物語。

『芙蓉千里』

角兵衛獅子として父と全国を回っていたフミ。家族がいながら人手減らしに売られたタエ。二人はハルピンの女郎屋に売られた。一番の女郎になりたかったフミと芸妓になりたかったタエはいつしかフミが芸妓にタエは女郎に。舞が上手いフミは芸妓として売れ美貌のタエは女郎として売れていく。フミは下働きの頃大陸で一旗揚げようとハルピンに来た山村という青年と出会いひとりの人間として認められ女郎になったら身請けに来ると約束するのだが・・・・。フミは芸妓として売れてくるが芸妓になると水揚げという金持ちの旦那が必要なのだがなかなかそんな人が現れない。たった一度座敷で舞を見せた男爵の息子が水揚げをするという。お金がありなんでも買ってくれ自由にもさせてくれるのだが彼には過去があった。昔好きな女と心中したのだが男だけが助かってそれ以来男女の仲となれない男だった。そんな時突然かっての好きな人山村と出会う。

逢瀬を重ねるのだがまたロシアに帰るという。一緒に行くか行くまいか悩むフミだが・・・・・・・・・。列車を見送るフミのそばに水揚げした黒谷が・・・・。

☆☆☆☆(町ができると最初にロシア人は教会を作り、日本人は女郎屋をつくる)

f:id:yamachanmamechan:20210104151213j:plain