京極夏彦作品。さすが直木賞作家。兎に角面白い。凝っている。テンポがいい。
怪奇小説なのだろうがテレビドラマの必殺仕事人的な面白さもある。好きだなあ。
最近読んだ中では一番かも。7つの妖怪から7編の物語を発展させている。500頁。
『巷説百物語』小悪党の御行の又市・治平老人・傀儡師のお銀等で仕事をして
百介が記録する。終わると「御行奉為・・」おんぎょうしたてまつる。リンと鈴が・。
「小豆洗い」円海という僧が寺に向けて川を渡ろうとするが雨で渡れず誘われて小屋で
時間つなぎに怪奇な話を皆でするという謀事にひっかり過去の悪事が明るみに・・・。
「白蔵主」狐獲りの名人弥作に白蔵主という狐の親玉の話をして盗人の伊蔵と結託して
何人も人殺しをしたことを暴いて弥作に伊蔵を殺すよう仕掛ける話。
「舞首」悪五郎という荒くれと押し入って皆殺しにした又十郎と侠客小三太の悪党
三人を諮って殺し合いをさせる話。夜話に海に投げた3つの首が諍いつつ舞う話が。
「芝右衛門狸」豪農芝右衛門の孫娘が芝居後に頭を割られて死んだ。庭にきた狸は人間
にもなり尊敬されるほどに。村で匿った侍が殺人狂だった。それも実は狸だった・・。
「塩の長司」馬飼い長者といわれたのは双子の悪党の片割れだった。一方がねたんで
襲って妻子を殺すが二人は崖から落ちて助かったのだが馬を食べて生き残ったのは・。
「柳女」曰く付きの柳の木の所で旅籠「柳屋」をやって10代になるが吉兵衛は最初の
子にしなれ苦にした妻が死に次々4人の妻を貰うも次々に子ができると死ぬ。それは柳の祟りか・・。
「帷子辻」美しい皇后が昔死んだら亡骸を辻に打ち捨てよといったというがそれは
無常を体験させたいためという。辻に次々に女の死体が打ち捨てられた・・・・。
(二行でまとめるには難しい本。さすが京極作品)
☆☆☆☆