辻村深月『水底フェスタ』を読む。

辻村深月作品。「キズナ」「ゼロハチゼロナナ」など今度で5作目を読んだ。いろんな世界に興味のある高校生が都会から来た芸能人と出会い深い関係になるのだが・・・。相手は田舎に復讐にやってきた女性。

『水底フェスタ』

ど田舎の村長の息子弘海は音楽フェスタ好きな優秀な子。門音は親が決めた許婚のかわいい子。村出身のモデルや女優をしている由貴美が村おこしでやってる音楽フェスに来て広海と出会う。由貴美は村にひとりでいた母が自殺していて村の古い体制に復讐しよういう意図をもってやってきたのだ。母が自殺したのは広海の父との愛人生活のためだと疑っていたのだ。広海を奪おうと村を破壊してやろうと。広海の従兄の医者などは忠告するのだが・・。広海は由貴美にのめりこんでゆくも村は狭い。関係が知れ渡るようになる。村の有力者の息子で友達の達哉がふたりの前に現れた時由貴美が逃げようとして振るった器具で達哉は湖に落ちて死んでしまう。その事実も村の古い体質はなかったことにしてしまう。由貴美が実は本当の父親は広海の父親だと。広海は苦悩する。

しかし真実は違った。絶望した由貴美はふたりで湖へ。そして湖に落ち助けようとした広海も湖に。広海だけが助かった・・。田舎の古い体質を壊そうとしたのにそれを一番引きずっていたのは由貴美だったのではないか・・・・・・。

(都会でもがき続けて村への復讐で立ち直ろうとした女性と性の活力溢れた高校生の純粋な叶わない恋愛になっていくのだが・・・。)

☆☆☆