乾ルカ『蜜姫村』を読む。

乾ルカ作品。乾作品を読むのは「プロメテウスの涙」についで3作目。面白いのかどうなのかちょっと引っかかりながら読んでいる。

この作品は陸の孤島ともいうべき村で起こる怪奇小説。戦で逃げる途中で動けなくなった娘を助けた五郎太という男が疫病にかかりそれを娘が悪い部分を吸って助けたという先祖を持つ人たちが拓いた村である。

『蜜姫村』

新婚の昆虫学者と女医の夫婦がその村で昆虫の研究のために1年間寄宿することに。

なにか村の手伝いをしたいと医療を申し出るが何故か村人の冷たい視線。寄宿の孫が病気に罹っても手伝うこともできない。病気の孫が夜中に村の社に連れていかれて治って戻ってきたが不審に思って後をつけた夫は還ってくることはなかった。妊娠していた女医は警察に届けることも拒否されやむなくそこで産むのだが・・・・・・。

この村は病巣を吸い取ることで神と崇められる蜜姫と黒王という人を見る目の優れた二人に代々支配される村であり、村人たちとは秘密の約束で結ばれていた。

生まれた娘優子は黒王の将来の妻となることを約束させられ蜜姫たちの住む御殿へ、母の女医は地下牢へ。約束であった。大きくなった優子ことお優は妃となるべく小さい頃から指導を受けた黒王の弟大蜂を好きになってしまいすでに大蜂の子を宿していた。黒王との婚姻の直前にふたりで逃亡する。海の見える土地で大蜂が働き幸せな生活を送る

が復讐に燃える黒王たちの追っ手が・・・・・・・。

(最後は助かった娘有紀が女医になって村を訪ねるという話で締めくくられる。)

☆☆☆

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