蓑輪諒作品。いままで読んだなかで一番若い作家かも。34歳?。常陸の国を500年にわたって守り抜いた佐竹藩も秀吉の時代になって天下が平定されて武骨の時代から能吏の時代になった。時代の変化に対応していく藩の様子が描かれる。
でれすけとはバカ者のいいらしい。
『でれすけ』
由緒ある佐竹藩の家督を若くして継いだ義信。譲った前藩主義重もまだ若く家臣の信頼も厚いのだが時代の変化を感じた義信は主従関係をはっきりさせて権威を持とうとする。義信の正室照日は勢力関係の変化で嫁ぎ元が相応しくないとされ子もなく殿の役立つことが見つけられず自害。義重もまた戦のない時代に身を持て余していく。
義信は秀吉や三成との関係に意を尽くしうまくいってきたのだが・・・・・。
秀吉没後家康の力が強くなり関ケ原の戦に。領土を守るためにどうするか悩むのだが結局徳川方につく。結果徳川の世になったのだが、佐竹藩は秋田に移封・減封に。それでも一から始めようと・・・。
(照日の言葉。「どのような時代であっても為すべき役目があるならそれはきっと得難き幸せではないのでしょうか。」その答えが見つからず自害してしまう。時代の変化について行く厳しさ。また次の時代がくる。この繰り返しだ。現代はこのサイクルがさらに目まぐるしく変わるだろう。うーーーん。)
☆☆☆