箕輪諒『うつろ屋軍師』を読む。

箕輪作品。時代ものをこじゃれたタッチで描く作家だと思うが時代もの作家というのは史実をたくさん読まないといけないから大変だ。35冊以上の史実や本が巻末には記載されてる。豊臣政権を支えた丹羽長秀に仕えた発想の優れたひとりの武士の話。

『うつろ屋軍師』

丹羽家は秀吉を支えたのだが勢力が強くなるのを恐れて124万石から転封になって12万石にそしてついには4万石に。長秀亡き後息子の長重が継いだのだが丹羽家を守るために忍従の結果だった。長秀と長重に仕えた「空論屋」(うつろや)といわれた江口正吉は奇抜なアイデアをだすことで誰もついていけないことでそう呼ばれた。

大阪の陣ではついに丹羽家はバラバラになったが長重は築城で才をみせて名を上げ、正吉は結城秀康のもとで頑張るのだが丹羽家のために辞して長重の下に走り陸奥白川に10万石をもらい築城・城下町の形成に力を発揮して明治になるまで丹羽家・江口家は続いたという。

(トップに立つものは理想をまじめに追い続ければ人はついていき報われるということなのかもしれない。世の中を常識にとらわれずに読む力の大切さはいつの時代でも。)

☆☆☆