東野圭吾作品。500頁余の長編だ。殺人は2件なのだけなのだが題名の白鳥とコウモリというのは被害者家族と被疑者家族つまり朝と晩のように交わらない関係がこの小説では真実を知りたいという1点で結局は交じり合うという物語だ。長編だけれどさすがに東野作品は飽きさせない。どの本も一気に読ませるのは流石だと思う。
『白鳥とコウモリ』
1係の五代務刑事と相棒の署の中町刑事は愛知県の金融業者殺人事件で福間淳二容疑者が逮捕されその福間が自殺したという事件が時効になっていたのだが最近おきた東京の白石弁護士が殺された事件で倉木達郎という男が自首してきた。倉木は福間母娘が苦労して仲見世で料理店をやっているのを突き止めて馴染み客として名古屋から何度も東京にきて通っていた。しかし供述の内容が本当らしかったので真犯人として事件は終えたのだが・・・。倉木の息子和真と白石の娘美令はどちらも父に相応しくないと疑問をもって独自に調べ弁護士や五代刑事に相談する。調べてみるといくつかの疑問点が出てきて実は倉木と白石とは若かりし学生のころに繋がりがあり、金融業者を殺したのは白石でありそれを逃がしたのが倉木だったという。被害者と被疑者が逆転した。
しかも白石弁護士を殺害したのは拘置所で自殺した福間の孫だったという展開に。
(倉木は白石が祖母が金融詐欺になっていて祖母の力にになろうとしていた情に動かされて白石を逃がしたのだが福間という被疑者が自殺しその家族たちが苦労している姿に良心が痛んだが自分がガンに侵されていることを知り自分が犯人となってみんなを救おうとしたのだが・・・。)
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