伊東潤「剋」を読む。


   伊東潤の「剋」(こく)戦国鎌倉悲譚を読む。2作目だ。
   歴史ものは同じような名前で人間関係が難しいから読むのに時間がかる。
  
   戦国の武田・上杉・佐竹・結城などがひしめく時代に北条早雲から分家した
   北条玉縄衆の当主となった氏舜(うじきよ)はもともと仏の道の希望が
   あったが武門の当主となった。戦にでるなかで人質交換で青蓮尼という
   女性に会い恋焦がれてしまう。仏の道か武の道かで悩ましい時に
   青蓮尼を還俗させて結婚しようとするのだが尼は美しい顔を火で焼いてしまう。
   その責任を感じて弟を当主にたてて出家してしまう。
   戦国たけなわ秀吉・徳川連合が北条家を大軍が押し寄せる。
   青蓮尼に民を生かすために役立つよう説得されて玉縄城を訪れて
   城を明け渡し、北条本家に降伏する役をするよう弟の当主を説得する。
   「真の男とは人を生かすために屈辱に耐える男をいう。」
   「人にはいつか渡らねばならぬ橋がある。」
   敵陣地に向かう時に味方の豪のものから矢を射かけられその矢は氏舜の
   胸に。青蓮尼の腕のなかで息を引き取る。悲恋物語だ。読ませる!
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