櫛木理宇作品。櫛木作品を3・4冊読んでいるがこの本も強烈だ。人間を拘束して犬にまで貶めて支配する話。支配者はホテルで殺されているのだが犯人は誰か・何故か。かなり複雑に入り組んで読むのに大変だ。
『虜囚の犬』
地下室に女の子が鎖で繋がれ犬の餌を犬のように食うことを強要されて奴隷のような生活を強いられているのが発見された。ただそれを行った薩摩治郎は殺されていた。
刑事和井田と元家裁調査官で心理士の白石は友達だが白石が治郎を一時鑑定していたこともあってふたりで推理しあいながら解決していこうとする話なのだが・・。
薩摩家は地方の有力家なのだが治郎の父伊知郎は後妻志津をもらうが子供には愛情を注ぐことはなかった。友達にもバカガキ・糞ガキという態度であった。治郎は離れに住んで鬱屈した捌け口を女の子を支配するという形になったと思われた。
薩摩伊知郎は大須賀家を騙して土地を取り上げ没落させて一家離散に追いやった人として評判は悪かったが庭の手入れ中に落ちて死んだとされたのだが白石は殺されたのではないかと推理してそこから治郎の犯人にも辿り着いていく。
(犯罪を主導したのは実は伊知郎の後妻の志津の過去にあった。)
☆☆☆