恩田陸『灰の劇場』を読む。

恩田陸作品.恩田作品は6作目だろうか。今回の本は東京郊外の高い橋から2人の女性が飛び降りて亡くなった。その記事を見て作家が小説を描き舞台で公演をすることになるのだが現実の事件と描くフィクションと作家と舞台演出家と演者を読み手が読みながら眺めるという作品。書き手が文章を晒す恥じらいみたいなものが見える本。

『灰の劇場』

自殺した女性たちは大学の友人でひとりが離婚後一緒に住んでお互いが仕事にいそしんでいるのだが年数を経つにつれていろんなことを考える。それにしてもそんな二人が何故自殺したのか。作家はいろいろな原因を推理するのだが・・・。経済・健康・老後・同性愛などなど。舞台で上演する話になるのだが本の上ではTとかMとかの名前で登場しているのに舞台では生身の顔が出てくることに違和感を覚える作家。

(小説と事件と作家の思いとか演出家の思いとかが交互のように出てきて読者はそれを眺めながらいろいろな思いをすると言う本。)

☆☆☆