#明野照葉『感染夢』を読む。

明野作品。はじめて読む女性作家。推理小説・ホラー小説作家という。62歳。

感染という言葉に誘われて手に取った本。大正時代の大分の山奥の山村で暮らしていた人たちが村を出て廃村になった。何が村で起こったのか。現代に突然忌まわしい事件が起こった。

『感染夢』

隼人の優秀で子供ふたりと妻とで温和に暮らしていた従兄の渓輔が子供と妻を殺害して自分も死ぬという事件が起こった。隼人には考えられない事件だった。そんなとき隼人にも恋人の理恵子にも嫌な夢を見てうなされるようになる。従兄もまた死ぬ前にそんなことを言っていた。もしかしたら過去とか昔の出所にあるのではないかと調べると自分たちの先祖は奥国村という山村の出であることが。そしてそこでは禍をもたらすよそ者を村人たちみんなでいたぶり殺害していた。怨念が現代に飛んできたのだ。同じ村の出で寺の住職の力を借りて怨霊を封じ込めるのだが・・・・・。

(人は祖父ぐらいまでは分かるけれどそれ以前の先祖たちがなにをしていたか知らない。自分ひとりの力で生きているように思っているけれど先祖・先祖があって今がある。忘れがちだがそんなことを思わせる本。)

☆☆

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