井上荒野『よその島』を読む。

井上作品。2作目。今回は東京から島に夫婦とその友人と3人で移住した高齢者の話。

夫の言動がだんだんおかしげに。そして認知症に。夫はついには妻も分からなくなる。

それでも妻は・・・・。

『よその島』

骨董商をやってた芳朗。妻蕗子は高校の教師。飛行機で30分ぐらいの島に移住を決意する。友達の離婚歴のある小説家野呂も一緒に古民家を改造して住むことに。

数年前に芳郎の愛人のところに蕗子が呼び出されて愛人を蕗子が殺したという幻想に。

お手伝いに「みゆか」という宙太という子持ちの女性がはいったのだが実は野呂の死んだ息子の嫁だった。野呂は島でエッセイ教室の講師を引き受けたのだがそこで出会った小夜という女性を愛するようになる。

(芳郎が徐々に認知症になっていくので夫婦の心情が描かれるのだがよく分からなくなる。野呂はいう。「訃報がとどくとあいつと最後に逢ったのはいつだったかと考える。死んだことより思い出せないことでダメージを喰らう。」最後は芳郎が家に入る時に「こんにちは」「蕗子です。」「亡くなった妻と同じ名前だ。」みんなが一堂に集まった時、自己紹介をしたほうがいいですねと芳郎が。「私の名前は碇谷蕗子といいます・・・。」みんな歳をとるとそうなるのかもなあ・・・。)

☆☆☆