吉田修一「犯罪小説集」を読む。
作家にもファンになるとどんな小説でもよく見えるものらしい。
5編の犯罪事件の短編集だ。
いずれも事件そのものは分かりやすいのだが
それを取り巻く人間模様が面白い。
「青田Y字路」
夏祭りを主催する立場の五郎の孫娘が学校帰りに青田Y字路を
過ぎたところで行方不明になる。祭りで偽ブランドを売ってた比国
から連れ子できた女の息子が犯人と疑われる。
五郎夫婦は親子にはよくしてやるいい人なのだが・・・・・・・・・・・。
「曼珠姫午睡」
英里子は同級生野裕子のゆう子が夫に保険をかけて若い男に
殺させた話をフェースブックや週刊誌から情報を集めて
ゆう子の人生を知ってゆくという話。
英里子はまったく境遇もちがうゆう子がどこか一緒では・・・・・・・・。
「百家楽餓鬼」(バカラガキ()
社長の息子永尾は能力を発揮して大きなお金を動かせるようになり、
妻はアフリカでNPOで救援活動をしている。永尾はカジノにハマる。
いつしか会社の金をつぎ込む・・・・・。
「万屋善次郎」
善次郎は真面目に働き、腕もいいが田舎の父を面倒を見に帰る。
養蜂をやって生活し村おこしのひとつと認められるのだが村の
長老たちといつしか意見が合わなくなり村八分にされて善次郎は
精神的に壊れてゆく・・・・・・・。
「白球白蛇伝」
プロ野球でそこそこ名をなした早崎が身体を壊し、いい時の金まわり
になれて落ちぶれてフアンだった社長からも金を借り、ついには
社長を殺してしまう。その息子が少年野球で移住する最後の日
ピッチャーとして投げる。あとひとりで勝つという時・・・・・・・・・・・。
筋があってるか自信はない。もう一度読むとき役立つかどうか・・・・・。