重松清『旧友再会』を読む。

重松清作品。いつ読んでも重松作品は心に響く。短編と中編を5編組み合わせた作品。「どしゃぶり」は中編だ。いずれも大人になって感じる感傷を描いている。重松作品はどれを読んでも涙もろい自分には涙腺を緩ませる。

『旧友再会』

「あの年の秋」は戦争などで苦労して歳をとって少しボケが始まったような母の取り扱いを兄弟でどうするかという話だ。三男が次男から母を一時的に引き取って欲しいと頼まれた家族の気持ちと母が戦争で亡くなった子供と帰還した横井さんなどのニュースにいまだに子に心を寄せることを描かれる。

「旧友再会」は地元でタクシーの運転手をしてた旧友に老人ホームに入れた母に会いにきた同級生とタクシーに乗って旧友だと知る話。

「ホームにて」は不動産会社に勤めていて定年になった父が一念発起して立ち食いソバの会社に入って駅のホームでソバを売る話でそれにはいろいろ訳が・・。

「どしゃぶり」は中学の野球部で一緒だった友達が故郷で再会した。地元の家具屋を継いだ私、地元の学校の教頭として戻った男、東京で頑張って働いて地元の老いた母が歳で立ち行かなくなって家を処分して母を施設に入れるために戻った男。3人は思惑いろいろに旧交を温める話。どしゃぶりはいろんな垢を流したのだろうか・・・。

「ある帰郷」は離婚が決まって妻の下に引き取られる息子をつれて父母の下を訪れる話。

(どしゃぶりのなかで旧友3人が校庭で野球部時代に先輩にやらされたホームベース一周のスライディングを懐かしい想い出として泥だらけになってもやる話)

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