白川道(しらかわとおる)作品。
白川作品は男らしい男が憧れる主人公を描くハードボイルド作品が多い。
重松作品のような泣ける優しさの作品もいいがたまに男らしい男の作品を
読むのは弱い男にとっては清涼剤になる。
「海は涸いていた」
芳賀哲郎はヤクザの組長から目をかけられ堅気の社長を任せられているのだが。
母の再婚相手の船医の愛情を受けて育ったが海で船医が亡くなり、母は自殺。
自殺の理由は実父だった。哲夫は実父を殺害し凶器の拳銃を施設で過ごした
弟分の慎二に処分を頼むのだが慎二は処分しなかった。会うこともなかった
妹薫は有名なバイオリニストとなっていた。施設の妹分千佳子の愛人は
薫の交際相手の財界の御曹司を恐喝する。慎二はその愛人を前の拳銃で殺す。
哲郎の身はヤクザ同士の抗争もあり一度に苦境に。刑事が身近に・・・・。
☆☆☆☆
「張合いってのは大切なものの数に比例するんだよ」