森村誠一『ただ一人の幻影』を読む。

森村誠一作品。調べてたら森村作品は赤旗に連載が多くて共産党のイメージがあると書かれていた。どうでもいいことだけ。どこの本は8編の短編が収録されてる。刑事棟居の出てくる作品が多い。

『ただ一人の幻影』

「運命の初夜」は結婚式の途中で新郎がいなくなる。司会者が最後まで新郎の役目を果たす結婚詐欺の話である。

「永遠の祭壇」は久しぶりの休暇を取った棟居が妻籠で一人旅の女性に出会い好感をもって帰ってくると事件が・・。25歳の男が縊首した事件で妻籠でであった女性の写真があった。訪ねて行くと事件の核心をつく手紙を彼女は託されていた・・・。

「神風の怨敵」は捜査一課の吉岡が定年退職で自由になった。クラス会に出席して旧友に出会い昔特攻にでた父が鬼といわれた上官にいじめにあった話をした。吉岡は調べてみることに。

「ただひとりの幻影」は男が東北を旅したときひとりの女性と出会い4日間自宅に泊めてもらい再会を約束するいい思い出を貰ったのだが時間とともに仕事が多忙になり上司からのすすめで結婚もした。そして東北大地震が起こった。東北を訪ね探すが見つからない。広島に出張したときに東北で出会った女性に似た女性に出会う・・・・。

「海の宝石」は温厚なホームレスが殺された。

「最後の灯明」は定年退職した沢野は自由を手に入れた時これまでい一番良くしてくれた人にお礼と一番忌まわしい人に復讐をと考えた。

「芳しき共犯者」は棟居は休暇で芭蕉の足跡の北国街道を訪ねようと。そこでひとりの女性に出会い、同じ喫茶店で女性が忘れた本とネコの写真を持ち帰る。帰るとホテルで女性が殺され猫の写真がでてきた・・・・。

「遠い夏」は宮越は定年後作家に転身した。田舎での花火大会でであった女性と夜明けまで月を見話をした思い出が忘れられなかった。その女性の娘さんから手紙をもらう。

母はずっと思っていたこと、結婚した相手は暴力男で母が殺して獄中で亡くなったこと

を。

(中味の濃い短編で面白い。ミステリー。)

☆☆☆