熊谷達也「群青に沈め」を読む。


     熊谷達也は好きな作家だ。東北の作品やマタギの話とかが多い。
    「群青に沈め(僕たちの特攻)」は2度目である。
    読んでメチャ面白かったからもう一度読みたいと思っていたのだ。

    戦争末期の武器が底をついたころの話。予科練に家族の食い扶持を
    減らすためと、どうせ兵隊になるなら飛行機に乗りたくて予科練
    入ったのに訓練する飛行機もなく穴堀ばかりさせられ、特攻に志願
    したら米軍上陸にそなえて海に潜る訓練を毎日させられる話だ。
    怪しげな潜水服を着ての訓練に効果があるのか疑問をもちつつも
    上官の命令は絶対の軍隊だ。    原爆が落とされ・・・・・。
    たどたどしい玉音放送に戸惑い・・・・・・・・・・・。
    泣き笑いの軍隊生活がおもしろおかしく、時に悲しく描かれる。
    熊谷作品のなかでは一番好きな読み易い作品だ。
                                         ☆☆☆☆
イメージ 1