#伊東潤『ライトマイファイア』を読む。

伊東潤作品。時代物中心の作家が1970年ごろの赤軍派よど号事件と簡易宿泊所2棟の火災を絡めて話は進んでいく。公安の学生運動への関わりと警官は火災が放火として調査を進めていくと接点が・・。よど号事件の裏側を作者の視点で描かれる。

『ライトマイファイア』

安田講堂封鎖などの赤軍派などの学生運動隆盛のころ優秀な成績で警察学校を卒業した三橋琢磨は公安に配属され白崎という指導者に統率された統学連という組織への潜入を指示される。桜井という美しい学生に勧誘されて潜入に成功するとともに琢磨は桜井に恋もする。武力闘争に舵をきった学生運動北朝鮮キューバでの軍事訓練を目論見そのために飛行機ジャックを実行するのだがそのメンバーに琢磨も選抜される。北朝鮮への渡航は成功するのだが当初の計画通りでない生活に琢磨はもうひとりのメンバー自称岡田とともに警備艇を奪取して川を下り公海にでて米国艦船に救われる。

一方で簡易宿泊所が放火され多数の死者がでた事件を捜査をしていた寺島刑事は身元不明の焼死体のなかに過去の学生運動家ののてがかりに解きほぐしていくとついにはよど号事件の巨大な闇の世界が見えてついには沖縄の辺野古のテント村の反対運動の現場まで足を運ぶのだがそこで逢ったのは・・・・・・・・。

よど号事件は単なる赤軍の若者たちの情熱だったのか。国家の北朝鮮の脅威を煽って国軍設立の足掛かりだったのか。大胆な仮説が次々にでてくる小説。最後は意外な結末が待ってる。2018年出版作品)

☆☆☆

f:id:yamachanmamechan:20210903150245j:plain