絲山秋子『沖で待つ』を読む。

絲山秋子作品。短編2編だけの本。絲山作品らしい切れのある文章が面白い。

勤労感謝の日」「沖で待つ」の2編だ。

勤労感謝の日

36歳の上司と喧嘩?して退職して求職活動している独身女性。隣の世話好きのおばさんから見合いを勧められる。気まぐれに見合いをしたら相手は大企業を傘に来たどうでもいい男。適当なところで逃げ出して元同僚の女の子を呼び出して飲み屋で盛り上がる。女の子は次の日は彼氏と箱根だという。ひとり帰りに近所の飲み屋でいっぱいひっかけて帰るという話。

沖で待つ

新入社員として福岡にともに配属になった及川という女の子と早々に太っちょとあだ名を付けられた牧原。不安いっぱいの新入りをふたりがいたからなんとか辛い新入りも楽しく過ごせた福岡。牧原は見かけも太いが太いことでお客も付いた、及川はガッツで乗り切った。なぜか見かけでなく福岡で牧原は先輩の女の子と結婚した。そして及川はいろいろ教えてくれた先輩の後を追って埼玉に転勤になった。しばらくして牧原が東京に転勤になったという噂を。そして単身赴任していて出勤しようとして7階から自殺する人に潰されて死んだと…。悲しみ・・・・。ちょっと前に冗談のようにお互いに長生きしたほうが秘密の入っているパソコンを壊してを消そうよと二人は約束していたのだ。

(「勤労・・」では退職の理由が父の葬式の時に上司が母に「奥さん!さびしかったらいつでもどうぞ」と母の下半身を触るのを見て娘が逆上して上司をビール瓶で殴ったからとはっきりした女性だ。「沖で・・」は死んだ太っちょと「死んでからまた太ったんでない?」となんでもお互いを知ってる同期の気安さ。)

☆☆☆