絲山秋子『逃亡くそたわけ』を読む。

絲山秋子作品。『御社のチャラ男」に続いてこれで3作目。この本の題名も何か面白そうで借りてきた。本当に絲山作品は丁寧に描かれている。精神病院に入院していた女の子が同じ入院患者を誘って逃亡する話。逃亡の先に何があるのだろうとずっと気にかかりつつ読むが・・。

『逃亡くそたわけ』

(亜麻布二十エレは上衣一着に値する)という幻聴を何かにつけて聞く「花ちゃん」は精神病院に入院し、外泊も許されず薬によっては殺されると思った花ちゃんは許可を得て買い物に出られることを利用して蓬田という会社員を誘って逃亡を企てる。彼は「なごやん」と言われていてうつ病で入院していた。嫌だと思いつつ花ちゃんの逃亡に加わる。勿論お金も何もないのだが「なごやん」は転勤で博多にきていて部屋も車を持っていて取り合えず「なごやん」の部屋に行き100万円をおろし車で逃亡する。当てがあるわけでもなく捕まらないように博多から鹿児島に至る九州を走り回る話。「なごやん」は退院予定を過ぎていた。ふたりは逃亡生活のなかで自分をみつめながら病状が好転していく。最後に薩摩富士を眺めて「くそたわけ」と叫ぶ。

(あまりよく何を言いたいのか分からなかったなあ。ただ逃亡の後はどうなるかと気になりつつ読み続けたが・・。)

☆☆