絲山秋子『薄情』を読む。

絲山秋子作品。今回は神主をしている叔父の神社役職を継ぐ準備をしている宇田川静生が主人公。先は決まっているのだが生活をするためにキャベツの収穫のバイトなどをしながら特に目立ちたいわけでもなく匿名で生きてもいいような考えの持ち主。

『薄情』

宇田川は真面目な普通の若者である。神社の仕事もし家の雪かきも率先してやり、女の子とも積極的ではないがそれなりに普通につきあっている。都会と田舎の人たちの微妙な関係が描かれる。都会から前橋にきて木工所と気楽に集まれる集会所みたいなものをもつ鹿谷さんの人柄と気楽な雰囲気が好きで通うようになる。同じ高校の後輩の女の子で離婚して戻ってきた蜂須賀と鹿谷が不倫をしていることを知って疎遠になるのだが・・。そしてそこで火事を起こして二人は微妙の関係に。

面白かったのは静生が好きになった同じバイト先の女の子といい関係になっていつも身体の関係もできてきたころに行為の終わった後で突然女の子から「結婚を前提に付き合ってほしい。」という男の子ができたのでもう逢えないと伝えられる。がーーーん。

ヒッチハイクの高校生の面倒を見て白河まで送っていく。しっかりしてる高校生に・・。

(いつも思うけれど絲山作品はこの地方に住む人はきっと丁寧に描かれていることに感心するだろうなあということ。鉄道や道路など丁寧に描かれているなあ。)

☆☆☆