加納朋子『てるてるあした』を読む。

加納朋子作品。初めて読む作家。福岡県出身・1966年生まれ。白血病を患う。夫は推理作家貫井徳郎氏という。推理小説的要素もありながら優しい作品だと思う。

てるてるあした

外車が好きな父・美人で子供を構わない妻の両親に生まれた照代。優秀な高校に合格したにもかかわらず入学金を払えず両親は破産して車で夜逃げ。照代も遠い親戚といわれた佐々良という町の久代さんというおばあさんの元へひとり夜逃げ。母子を繋ぐためにとプリベート携帯が渡されただけ。行くと久代ばあさんは元教師、親戚でもなさそうだがとにかく家に置いてくれた。近所のおばあさんたちやダイヤ君やあかねちゃんやりゅう君のお母さんたちは優しく接してくれた。自分はなんでこんなことにと恨みつつ僻みつつひとりぼっちの生活を少しづつ久代婆さんに厳しくしつけられながら育っていく話。不思議な同い年のエラ子との交流も・・。

携帯メールの「てるてる あした。きょうはないても、あしたはわらう。」

誰もかれも嫌いで何もかにも嫌いだった照代。でも久代ばあちゃんの死で・・。

(久代ばあちゃん家に時々姿があらわれる女の子は久代ばあちゃんが教師の時にネグレクトされて台風の時に川に流されて重体になった女の子というが実は母の姿だったという。近所の人たちの優しさが人を育てていくのだろう。今はどうだろう?)

☆☆☆