伊吹有喜『なでし子物語』を読む。

伊吹有喜作品。読むのは2冊目。家族関係で苦境にある子供たちに強烈なメッセージを伝えている。ただ380頁を超えるこの本を読んで感じるのは苦労して読むことの大切さみたいなものだ。かわいい子には旅させろ的ないまの時代と逆をいく生き方もこれからは大切なのかなと思ったことでした。「やらまいか」といういい言葉もある。

『なでし子物語』

林業と養蚕業で財をなした金持ちの家の後妻から生まれた立海はこれまでの弱い子供から強い子へと子供の頃は女の子の格好をさせられて東京で育つ。そんな環境を嫌がってなにかあると吐いてしまう子だった。遠州(静岡)でかっての財で作った豪邸が建っている家に立海が来る。そこには亡くなった長男の嫁が切り盛りしていた照子である。この財閥の林業を仕切っていて長屋に住んでいた男間宮の孫娘輝子は両親がいなくなり途方にくれていたところを間宮に引き取られてきた。立海と輝子は境遇がにていたこともあり二人は仲良くなっていくとともに健康を回復していく。ふたりの家庭教師青井は勉強だけでなく生き方も指導していく。輝子の誕生会を立海がセットして準備をする中で突然立海は父に東京に連れ戻される・・・・・。

(早川は教える。「自立」かおをあげて生きる事・「自律」うつくしくいきること。)

☆☆☆