仙川環作品。大阪大の医科卒の作家が「代理出産」を描いた作品。2008年出版。
『聖母』
美沙子は夫昭とともに生活していたのだが子宮をとらなければならない病気に。
長男夫婦の康史・由紀には男の子と女の子が。美沙子夫婦も子供が欲しかった。
諦めきれず代理出産ででも子供がほしいと医者の門を叩く。
若い健康な親族ということで由紀に目が向くのだが由紀は抵抗する。美沙子が気を塞いているのを心配した母厚子が50歳だけれど自分が代理母になってもいいと医者をも説得して妊娠までするのだが貧血の際に転んで流産してしまう。諦めかけた美沙子もインドでなら安くできると医者に紹介されてインドにいくのだが貧しくも逞しく生きるインド女性に出会って子供のない生活へチャレンジするも失敗。やはり子供が欲しい。
親族の圧迫によって由紀がやっと代理母になる気持ちになって病院にいくとそこで出会った女医は勤務先の医者との関係を清算する意味でも代理母を推進する医者としても自分がインドで美沙子と昭の受精卵で代理母となるためにインドに行くのだが・・・。
生まれる直前に女医は死んでしまう。双子で一方の子だけは無事生まれたという。
さて生まれた子は誰の子なのか・・・。
(代理出産の難しさが描かれるが出産に絡むいろんな問題でややややこしい。)
☆☆☆