岩井圭也作品。『文身』に続いて2作目だ。1冊の本を読んで評価するのは失礼だからなあ。必ず2冊は読むようにしている。まずまずかなあ。
『最後の鑑定人』
土門誠。元科捜研の腕利きだが真実を追求するあまり「土門鑑定所」を興す。
ポリグラフを研究していた高倉柊子が受付兼技師として採用される。コンビで難事件の解決をしていく話。
「遺された痕」では工事現場で殺された女性の元交際相手が逮捕された。犯人は無実を訴えるが防犯カメラのボケてはいるが画像も女性の体内にあった精液の鑑定も犯人を指している。間違いがないと思われたが土門のところに鑑定が持ち込まれた・・・。
「愚者の炎」はベトナム人の技能実習生7人が住む寮で火災があって半焼した。一人のベトナム実習生が放火したと自主してきた。理由は一切語らなかった。裁判所は公正を期すために土門鑑定所に鑑定が持ち込まれた。分かったことはそこでは社長が大麻を精製をさせていた。ボヤを起こしてそれを隠蔽するために放火を・・・・・。
「死者に訊け」は年数の経った車が海で発見され中には白骨死体と後部座席から大量の宝飾品が。7年前の強盗殺人事件の犯人と目されたが全容解明のために土門鑑定所に鑑定が持ち込まれた。復顔・車についてた塗料から事件は急展開・・・。
「風化した夜」は鑑定所にかって土門と仕事をした女性の母が相談にきた。娘が自殺したという。理由が知りたいと。女性の部屋にあった手帳の切れ端の次頁に残っていた筆圧から娘さんが警察官時代に目をかけていた不良グループの存在と名前が・・・。
(人間は完全でないから科学に頼りたくなる。科学に携わるものは真剣に…。真摯に取り組み最後の鑑定人と言われる土門。無口な土門と客に青臭いハーブティをわざと出す高倉。いいコンビである。)
☆☆☆