#藤田宜永『ブルーブラッド』を読む。

藤田宜永作品。恋愛小説からハードボイルドまで幅広い作風のなかでこれはハードボイルド。ブルーブラッドというのは身分が違えば血も違うという位の意味。毛並みが違うという意味の題名だ。子爵の息子として生まれた子がパリで楽しんでいたのだが戦争で満州で働き帰って来てみたら両親がドイツ人に殺されていた。犯人を追っていく。

『ブルーブラッド』

子爵の息子透馬の悲劇は疎開先の軽井沢の別荘で両親が何者かに殺されたこと。使用人の八重の話でドイツ人で顔を見たという。東京にでてバーの使用人として稼ぎを得ながら犯人捜しをする。ソ連のスパイ組織や連合国側の組織などとドイツ人犯人を捜す上で関わりをもつ。なかでも当時「金色夜叉」と名乗る義賊は八重の兄が主宰していた。八重が米軍人に襲われたのを助けてその時米軍人を銃で殺してしまう。八重の兄の援助を受けることに。またパリ時代の遊んだ仲間の恵理子は国生会という組織のボスの息子と結婚していたが不仲で恵理子は透馬と関係が出来てしまう。いろんな組織が狙っていたのがドイツがフランスから分捕った宝石や金塊が日本に持ち込まれていたという噂であった。各組織が情報を集めてしのぎを削ったが最後は「金色夜叉」がありかをつきとめて手にいれるのだが透馬は殺人で手配されて恵理子と海外逃亡を企てその前に両親を殺した犯人に鉄槌を加えようと二人で京都に行きうまくいくのだがその時透馬は腹に銃を受けて・・・。恵理子の夫がその場に来るのだが恵理子は透馬を助けてくれるよう頼むが・・・。

(いろいろな組織が入り乱れてよく読まないと分からないくらい。華族の息子は翻弄され助けられながら犯人さがしを追うと同時にナチスの財宝探しにも翻弄される。)

☆☆☆

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