宮部みゆき『初ものがたり』を読む。

宮部作品。2001年出版の本。これで18冊目を読んだことになる。江戸の岡っ引きの茂七が関わった事件の7つが収められてる。宮部作品・東野作品はどれも読んでいて間違いなく安心して読める。すごいなあ。

『初ものがたり』

本所深川一帯を預かる岡っ引き茂七は嫁と手下の若い糸吉と47歳の権三で守る。

「お勢殺し」は醤油のぼてふりで病気の親父を養っていた長屋のお勢が裸で殺されて大川端に浮かんでいるのが発見された。お勢が付き合っていた大店に働く音次郎が疑われた。アリバイもあったが茂七が音次郎の嘘を見抜く。

「白魚の目」は親を亡くした子供たちが寺の軒下などで屯して生活していたがその子供たち5人が毒入りの稲荷ずしを食べて死んでた。大店の器量よしの娘おゆうが・・。

「鰹千両」はぼてふりの魚売りに大店から鰹を千両で買いたいと言ってきた。驚き不思議に思った魚屋が茂七に相談する。大店の死んだ娘に似てる娘が目当てだった・・・。

「太郎柿次郎柿」は船宿で田舎からでてきた男が江戸の大店で婿に入ろうかというできのいい弟を殺した。茂七がいくと自分が殺したという兄が二階から飛び降りた。

「凍る月」は酒問屋の婿入り亭主が茂七に相談に来た。女奉公人おさとが行方不明になったと。10歳の霊感坊主の日道に占ってもらったら死んでるという。茂七は謎の武士出の屋台親父が気にいりなのだがおさとは生きていて時々屋台にくるという・・。

「遺恨の桜」は霊感坊主の日道が襲われた。日道は両親に言わされてることが多かったという。好きな男が行方不明と茂七に相談したら豪農の家のしだれ桜に行きついた。

「糸吉の恋」は手下の糸吉が菜の花畑でみた若い娘に恋をした。娘の菜の花畑には赤ちゃんの骨が埋められてるという話を信じたのだが・・。

(ほんわり温かい茂七の岡っ引き。なぞの屋台の親父が重要な役割を演じる。)

☆☆☆