重松清『木曜日のこども』を読む。

重松作品。数多く読んでいるが重松作品はだいたい読後「ホッコリ」とか「涙がでる」とかが多いなかでこの本は「恐ろしい、幽霊の出る本より恐ろしい」と感じた。木曜日のこどもとはマザーグースの歌からの言葉で月曜日のこどもはかわいい顔・・木曜日のこどもは遠くに行って・・からきている。学校給食で毒物が入れられ9人が死亡多くの重症者がでるという事件が木曜日に起きた。木曜日のこどもの事件といわれた。

『木曜日のこども』

40歳になる会社員清水芳明が結婚を決めた。相手は子連れで夫のDVで離婚した女性香奈恵である。子供は中学生晴彦。いじめにあって自殺未遂を起こすような子。木曜の子どもの事件があった旭丘一軒家に移住して事件の学校へ。一軒家は事件で亡くなった女の子が住んでいた家だった。晴彦は転校して明るい子になったように見えたのだが事件の犯人に似ているということで実際はいじめにあっていた。芳明はいい父親になろうとするのだが実際は難しかった。事件の犯人は釈放されていた。親友で事件のとき親友なのに毒を飲まされた高木は犯人とさらに近しくなっていた。また事件が隣家で起こる。

気さくな主人が突然死するのだ。実は主人は子供に絶対服従させる虐待親だった。それで娘が毒を盛って殺してしまうのだ。世界を終わらせたのだ。

高木たちは晴彦に近づき芳明にいう。晴彦は明るくふるまっていたのにいじめよりも結婚したことが許せなかったと。なんとか芳明は父親になろうと・・。

(人は例え血がつながっていても人の心は分からない。どこかで折り合いをつけて生きているのだが折り合いをつけようとお互いに思わなければトラブル。難しい。思ったのは人は人の命は奪う権利はないということだけが唯一の約束か。世界の終わりを強要する権利はないということかなあ。)

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