喜多由布子『凍裂』を読む。

喜多作品。札幌出身・札幌在住の作家という。1960年生まれ。初めて読む作家。

事件の関係者を中心に章をまとめてそれぞれの視点から犯人とされる妻・母を語る。

『凍裂』

学校職員で凡庸だが資産があり妻と大学生と中学生の二人の子供を持つ家庭で妻が夫を包丁で刺すという事件が起こった。妻は料理教室の先生などをしていて評判も良く、事件を起こすような人では誰が見ても思わない人だった。妻は刺したことは認めても一切動機については口を閉ざす。動機を探ろうと親友や子供たちや警察などもするのだが一向にわからないまま起訴される。親友は心理学者に頼み弁護士をお願いして調査していくと妻もしらなかったモラルハラスメントが。自己愛性人格障害が往々にしてモラハラを引き起こすという。夫に「しょせん、他人だから・・」と言われた時に厳寒期に樹木の幹の水分が凍結して幹が裂けるように包丁を持っていた・・・・。

(本当にいい人が事件を起こすように思えない人がモラハラによって心が少しずつ痛みそしてある時に一瞬で壊れる。動機を求めて270頁の本ができた。)

☆☆☆