久坂部羊『老父よ、帰れ』を読む

久坂部羊作品。読んだ「老乱」の同系列本。認知症の父を自宅に引き取って介護する話。認知症は治そうとしては介護する人は苦しむだけだという。自己都合を捨てて介護するのでなければ介護するほうが先に倒れるという。

『老父よ、帰れ』

施設に入れていた74歳の父が認知症に。マンション住まいの息子が宗田医師の講演を聞いて感動して自宅で介護しようと帰宅させる。排泄介護・食事介護・運動介護などの厳しい介護を仕事の都合を会社と折り合いをつけて奮闘する話。

息子の名も分からない父のために育ててくれたことに感謝して自己を殺して介護するのだが当然葛藤の嵐。火事・セクシャル・暴行などの社会的心配など思いがけない抵抗になんとか妻とともに・・・。

認知症にはアルツハイマー型・前葉側頭型・小体型などあるらしい。認知症を治したいと家族が思った時点でうまくいかない。自己都合中心で介護したら失敗する。など

自分のような高齢者は身につまされながら読まされた。認知症になったら・・・・。)

☆☆☆

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