#久坂部羊『カネと共に去るぬ』を読む

久坂部作品。7編の短編に有名な題名のパロディをつけた作品。医療関係作家が書いたもので医療と高齢者を描いたものだから高齢者が読むと怖い本だ。

『カネと共に去りぬ』

「医呆人」は異邦人のパロディだ。自分の担当の患者が死んでもお悔みにも行かずいっても(死んでよかったですね・・」という型破りの医者の話。患者は本当のことをいう医者を好むのか嘘で固めて安心させる医者を好むのか。

「地下室のカルテ」は精神的に不安定な医者が同僚からは自殺でもされたらと関わりを避けられて何もせず病院をうろつく医者の話。

「予告された安楽死の記録」は白血病にかかって自分は安楽死をすると決めた櫻子の話

「アルジャーノンにギロチンを」は酒もたばこもやらず健康に気を付け部下にも厳しい医学会の重鎮医者。文化勲章をもらうことが夢だった。認知症で亡くなった先祖を持つことだけが弱点だった。日記をつけることにする。次第に認知症に・・・・・。

「吾輩は犬である」は動物団体から野良犬を実験にはかわいそうだから使用させないと決まり実験用のビーグル犬が使われるがその1頭の話。名前は(マダナイ)という名。

心筋梗塞を治すための実験なのだが副作用は心臓溶融という。結局暴れて首輪が引っかかって死ぬ。

「変心」はカフカの変身のもじりだろう。心にある日毒蜘蛛のような悪心が取り付いた

それまでは真面目な女医の話。家には事故で寝たきりの弟の面倒を見ていたのだが・。

「カネと共に去りぬ」は高級有料老人ホームに入っている人たちの話。

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