#東野圭吾『希望の糸』を読む。

東野圭吾作品。お馴染み加賀恭一郎主任と従弟の松宮刑事が事件を解決するのだが単に殺人ではなく関わる人達には「子供」への想いや受精卵の取り違えという医療ミスが。

タイトルの希望の糸は「大切な人と見えない糸でつながってると思えたら幸せだし、糸がどんなに長くても希望がもてる」と言った松宮刑事の死んだ父の言葉。

『希望の糸』

夫婦に子供ができずに離婚した「弥生茶屋」の経営者弥生が殺された。容疑者に浮かんだのは前夫綿貫と茶屋の馴染み客の汐見。綿貫には子供ができたら結婚するという同棲中の女性がいる。汐見には二人の子供を事故で亡くしてやっと人工授精でできた中学生の女の子萌奈がいる。実は医療ミスで受精卵の取り違えで他人の子を身ごもってしまった結果の子だ。汐見夫婦は自分たちの子として産むことを決意し子供を育てているのだが二年前に妻がガンで死ぬ。他人の子供を育てることの罪悪感で調査をすると取り違えの相手は茶屋の弥生さんだった。弥生さんも人工授精で子を得ようとしていて子ができずに離婚していた。汐見が真実を話したことが誤解を生んで弥生さんは前夫の同棲中の女性に誤解されて殺されたのだった。

宮刑事も父が死んだと母に言われていたのだが実は・・・。複雑な事情が・・・。

(事故で失った子供たちの悲劇を取り返そうと頑張った夫婦が・・。子供という希望の糸で生きてこられた松宮の父。死の床の父を松宮は見舞う。)

☆☆☆

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