重松清「一人っ子同盟」を読む。

重松清作品。重松清作品は主人公が子供の場合が多い。76歳の自分が

読むような本ではないのかもしれないと思いつつ読む。自分だって子どもの

頃の時代があったのだ。子どもが童話を読むように年寄りが重松作品を読む。

本は子供がふたりいたのだが兄が交通事故で4歳の時に失い、一人っ子に

なった「ノブ君」と母子家庭の同級生の女の子「ハムさん」が主役だ。6年生だ。

共に公団の別棟に住んでいる。ノブ君の1階下に高齢者の夫婦と4年生のオサム君

が引っ越してくる。悲劇的な両親の死で親戚をたらい回しにされ続けている子。

ハムさん家も4歳の連れ子がいる男と母親が結婚してハムさんは姓が変わる

のだが父になつけない。そんな一人っ子たちの微妙な心が描かれる。

重松作品はやさしい言葉でそうだよなあっていうことが良く出てくる。

「自分の子が好きなものがあるというのは親はうれしいもの」

「好きなものを聞かれてちゃんと答えられるうちは大丈夫」

「お金で解決できない悩みはたいていメシ・風呂・布団があれば解決する」

☆☆☆

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