佐々木譲「砂の街路図」を読む。

   佐々木譲の作品は4作品目。
   北海道出身の作家には愛着。
   「砂の街路図」
   この本のなかに故郷の名前が一回だけ出てきた。筋とは関係なく。
   出身地を聞かれて「いや、函館だったか江差だったか。・・・・」たったそれだけ。
   それだけでこの本を最後まで読む気になった。

    街路は佐藤泰志の「海炭市叙景」のように小樽をモデルの架空都市か。
    主人公俊也は12歳の時にちょっとでかけた父が北海道の父が卒業した
    大学の町の運河から遺体がと連絡を受ける。高校の教師になって
    父の死に不審をいだいた俊也はなぜ運河町に行って死ななければ
    ならなかったのか街路を歩きながら父の軌跡をたどる。運河町に渡ったのは
    かって同じ漕艇部にいた女性の葬式出席のためであり、漕艇部では
    レイプ事件が発生していたことなどいろんな人を訪ねて真相をさぐる。
    ついにかっての教授にあって真相を聞くのだが女性問題だけでなく
    学生運動との関係も・・。父の苦悩・教授の苦悩を知る・・・・・。
    真相を知り、父の苦悩を知るにつれてこの街に住んでみたいと思う。
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