樋口有介『猿の悲しみ』を読む。

樋口有介作品は「笑う少年」についで2作目。小説とは難しいもの。情報をたくさん詰め込めば読者は読むのに難儀する。登場人物が多すぎると読者は混乱する。

『猿の悲しみ』

仲間内のトラブルで殺人犯となり出所してから担当した弁護士の事務所で調査員となった風町サエ。刑務所で一児をもうけて将来のための1億円貯金が目標である。

サエは所長から有名プロ野球選手と元アイドルの夫婦の離婚にかかる賠償金の減額のための材料探しを命じられる。妻は子供のころからなにかと男関係があったと突き止める。その過程で東宮という出版のコーディネイターが殺され、発見者の水沼もまた殺される。東沼は友愛会という巨大慈善団体の不正を暴いていたともいわれるが実は彼女はかっての理事長の娘で父の死に疑問もあったとも、また水沼の生い立ちも複雑であり友愛会の幹部もまた複雑な人脈になっていた。いったい誰が二人を殺したのか・・・。

複雑な人間関係が殺人の引き金になったのではないかとサエはあらゆる人脈を使いお金をつかって情報を集めていく。そして犯人は・・・・・・。

(殺された二人は母違いの兄・妹だった。犯人も身内?とにかく複雑な関係)

☆☆

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