窪美澄『晴天の迷いクジラ』を読む。

窪美澄作品。最近窪作品をよく読んでいる。ホロッとすることも多いからつい本を手に取ってしまう。悩み苦しみ自殺まで考えた人たちが湾にクジラが迷い込んだというニュースに死ぬ前に迷いクジラを見てから死のうと薄っすらと思いながら半島に・・・。

晴天の迷いクジラ

野乃花は田舎の小さい学校で絵を描くのが天才といわれて育った。しかし家は貧しかった。画家になりたかった。先生の働きかけで働きながら絵画教室に通うことができた。

田舎の豪農の子がやってる絵画教室だった。野乃花は先生が好きになった。妊娠した。

母が談判して結婚することができて晴菜という子供が生まれた。途端に冷たくなった夫に精神が壊れ、お金を持ち出して東京へでて会社を作ってガムシャラに働いたが不景気に勝てずに倒産した。練炭で死のうと思ったが社員に見つかってクジラが迷いこんだというニュースにとにかく生きてクジラを見に。そこは野乃花の故郷でもあった。

途中で正子という母と折り合いを付けられず死のうとしている娘を拾って3人で・・。

クジラがやっと湾内から出て行くのと同じように3人は・・・・・・。

(クジラも人も迷いつつ生きている。生きていさえすれば・・・・・・。)

☆☆☆