小嵐九八郎『走れ、若き五右衛門』を読む。

小嵐作品。初めて読む作家。1944年生。秋田県出身。早稲田大卒。「真幸くあらば」という作品が映画化されたという。石川五右衛門の幼少から義賊石川党の棟梁になるまでを漫画チックに描かれる。長編で読むのに時間がかかったなあ。

『走れ、若き石川五右衛門

義賊として名高い五右衛門は幼名虎太といい、戦で死んだ父。公家の末裔とも言われる母の「論語」や「孫子」などの中国の古書を学ばされ、運動能力もつけるように厳しく育てられる。盗賊石川党に攫われていろんな試練を経て弱い人を助けること共同作業の大切さなどを学びつつ仲間たちの信頼を得ていく。首領石川左門の娘の病を治したことで左門の信頼を得、また助けた娘おさとに恋され飯盛山城から金銀を盗るという試練に及第しておさとと結婚し石川党を引き継ぐ。

雑賀に本拠を置き、浄土真宗の「悪人おや・・」という宗教に想いを馳せ、貧しい人たちへの施しを5割にまで引き上げるという義賊で組織作りも現在の会社のような能力に応じたものにしスパイ対策や広報などにも心を配る。

(一期一会という和を大切にし、人を大切にしたと描かれる。熱湯風呂に入れられた話はでてこない。)

☆☆☆