今野敏『寮生 1971年函館』を読む

今野作品。推理作家が高校一年生が寮生の自殺と判断されたものを自殺ではないかと寮生たちが推理していく話。道央出身の「僕」が転勤した桧山管内の江差を思わせる地方から函館の高校に入学して寮生となって友達との交流のなかで犯罪を暴いていく。

『寮生 1971年、函館』

「僕」は地方から憧れの函館のキリスト系の男子高校に入学する。合格して次の進む道が見えないなかで寮生として高校に通う。新入学した友達たち。大人っぽい古葉・音楽一家の岡元・同じ中学で学んだことがある八田・勉強を中心におく牧下などと寮でつるむことが多い。新入生に入魂会という儀式があって上級生から喝を入れられるが噂ではこの会の中心に運営する生徒はひとり亡くなると。実際前年にひとり生徒が寮の屋上から飛び降り自殺が・・。そして今年も同じ場所で入魂式の後で2年生が飛び降りた。

警察も調査で自殺と判断したのだが「僕」たち仲間は古葉を中心に単なる自殺ではないのではないかという疑念を持つ。調べると死んだ生徒は学力優秀・サッカー部でレギュラー・ひと月前に遺愛高校の美女と交際したばかり。自殺の理由が不明だった。

あまりにも前年の自殺と似ているのでかえって疑惑を呼びついに自首させることに成功。

江差中から受験と思われるのだが単に桧山の鰊で栄えていまは寂れた町としか記載はなかった。高校はラサール高校かと想像されるが江差の記述がないのが残念。)

☆☆☆