久坂部羊『善医の罪』を読む。

久坂部作品。医療問題をいろんな視点から描く作家。誠実に患者・家族と向き合い頑張る女医が患者・家族に良かれとしたことが裁判になって懲役3年執行猶予5年に。

尊厳死安楽死そして見にくい組織の人間関係とお金が絡み合う展開。

『善医の罪』

ハーフで美人でカテーテルの腕もいい医者ルネがくも膜下出血で運び込まれた患者に手当を尽くすのだがこれ以上治療することは患者のためにならず患者も延命治療はしないといっていて家族を呼んでこれ以上の治療は無理と説明して了解を得るのだが・・。

3年後ルネをよく思っていない同僚の医者と看護師が3年前のカルテをもとに法に触れる安楽死をしたと病院を脅迫しルネに迫る。ルネは亡き母の教えに従って真実を曲げないとがんばるのだが・・。結局裁判になるのだが医療現場を知らない裁判はルネに有罪の判決が・。弁護士・恋人・父の説得で控訴することに・・。安楽死への道は・・・。

尊厳死安楽死が認められるには国民の理解が必須。病院という組織のいやらしさ、マスコミの対応、同僚や看護師の関係など善意・誠実であるほど壁が厚い。)

☆☆☆

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