仙川作品。歳をとってくるとついい久坂部作品や仙川作品のような医療関係の小説に目が向く。今回は尊厳死についてだ。人口呼吸器で血色もよく生きてると現実的には尊厳死問題は愛情・経済・責任などいろいろあって悩ましい問題のようだ。
『無言の旅人』
公子は婚約者の耕一と不動産を見るのに待ち合わせをしている時に不幸の電話が。
交通事故で意識不明に耕一が。手術をするも意識が戻るかどうかは予断を許さないと。
耕一は両親と妹がいるのだが耕一は尊厳死についての書置きを残していた。
生死不明になったら延命治療はしないこと・解剖はしないこと・友達に連絡すること。
意識が戻らない間それぞれに治療を続けるか耕一の意思を尊重するかで揺れ動く。
若い医師もまた自分が人工呼吸器を停止することで揺れ動く。
実は友達たちと尊厳死について反対されるはずだから友だと同士で順守しようと約束していたのだ。しかし耕一は婚約したことで微妙に考えが変わっていた。やっと公子と両親・妹で耕一の意思を尊重した尊厳死予定日の5日前に死亡の知らせが・・・・。
人工呼吸器の事故だった。どうせ死ぬと分かっていても5日間は重要なのだ・・。
事故か故意か。
(たかが5日。されど5日。例えば生まれた赤ちゃんが5日しか生きられなかったとしてもお母さんにとっては・・。5日とは残された者にとっては・・)
☆☆☆