仙川作品。題が面白い。医学関係出の作家が北海道の「ししゃも」を題材にした。
帰ってきた故郷は無気力な灰色だった。活性化するには「虹色ししゃも」でと奮闘。
『ししゃも』
大手商社で医療器具の営業をして恭子が部門の不振で会社を辞めて故郷の道東の三宅町に帰ってきた。自転車屋をしている父が倒れて店の手伝いをしている時に偶然に水産試験場で池野という人が趣味的に飼育していたししゃもが虹色をしていて美味しかった。
商社勤めの勘でこれは売れると信じこれで田舎の活性化ができると走りまわって全国紙に写真と記事を載せることに成功するのだが・・・。池野の写真が出た途端に池野は失踪。池野しかできない「虹色ししゃも」。恭子は池野の過去と「虹色ししゃも」の成功にむけて奔走する。池野は実はタイで死亡していた。成りすました男は人工湧昇の工事中に若者3人を死に追いやり責任を感じて自殺していた。池野は誰か。虹色ししゃもはできるのか・・・・・・・。
(故郷の活性化はどこも宿願だが・・・。街の人たちを少しずつ変えないと街も変わらない。恭子は虹色ししゃもとともに長い目で故郷に色をつける希望もでてきた。)
☆☆☆