最近は映画化されたりして注目されている。
佐藤泰志初期作品集を読んだ。そのなかのひとつが「もうひとつの朝」だ。
中学生から小説家をめざした彼の初期作品10編が収められてる。
印象はどれも暗い。若者のやり場のないエネルギーが悶々としている
作品が多い。故郷函館への愛着が見える作品もあり読んでいて愛情が湧く。
気になった文章は「身体が粘ついてい、食事はまずかった」というように
「粘ついて」とはならない。たくさん出てくる。この時代の書き方なのだろうか。
「もうひとつの朝」
大家は大事な鳩のために天敵猫のためにワナをしかけ捕まえた猫は
餓死するまで苦しめてやるぐらい孔雀鳩がすべてであった。
そんな大家の安アパートに「僕」は住んでる。
隣は神経質な大森という若者だ。
女友達を泊めた夜、大家が大森が、夜中に来て奇声をあげて困って
「僕」の部屋にきた。警察にもついて行く。大森は親がきて連れ帰る。
大家の大事な鳩が猫にやられた。1羽残った鳩を囮に猫を捕まえる。
激しい猫の悲鳴を聞きながらそれが自分の声のように聞こえ、
自分には別な朝があるはずだと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
☆☆
