秋山香乃『龍が哭く』を読む。

秋山香乃作品。幕末小説中心の作家。長岡藩の河井継之助の幕末の生き方が描かれる。

継之助は42歳で亡くなるまで7年ぐらいの活躍なのだが500頁を超える長編。

『龍が哭く』

幼いころから才能を発揮するのだが誰にもはっきりものを言うことが嫌われたのか重用されて活躍の機会はなかったが松山藩の学者山田方谷に師事して目が開かれ長崎・江戸と回りながら情報を求めて時代の流れをつかむ。もともと忠義の士であり藩主のために藩のために尽くしたいという思いの強かった継之助。長州・薩摩の動きで世相が荒れていくなかでやっと藩主に認められ出世していくが自藩の赤字を解消し藩を守るための近代化をすすめる。世は幕末。新政府軍は北上してくる。継之助の長岡藩も会津藩も戦で

藩の民たちのことを思い降伏を申し入れるのだが新政府軍に聞いてもらえない。やむなく戦いに。一度は城を取り返すのだが‥‥継之助は倒れる。妻すが子とは夫婦らしい時期もなく飛び回った日々。残したものはこのころ珍しい写真1枚。

(藩の領民のために尽くしながらも結果として民に迷惑をかけた継之助。憎み・恨んでくれと。自分は精一杯やった結果にせめて憎み・恨みで民のこころが少しでも癒されるならという継之助。長州・薩摩と戦った本当のサムライ・継之助の一生だ。)

☆☆☆

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