乙川優三郎『闇の華たち』を読む。

乙川優三郎作品。東京都・70歳。直木賞作家・時代物。武士とその妻や女性たちの厳しい日常のなかでほのかな灯りがみえる短編6篇。初めて読む作家。

『闇の華たち』

「花映る」は刀など抜きそうもない友人が抜きあって殺された。相手は小さなお咎め

隼之助は相手の道場に行って一手教えをといって相手を打ち負かしながらも「参りました」相手は待ち伏せて襲うけれど隼之助は返り討ちに。気持ちが晴れないまま友人の妻に密かな想いを抱く。

「男の縁」は丈太夫は藩から藩と藩士たちの歴史を記述する役目を。藩士からいろいろ聞き取るのだが伝兵衛という藩士は実は過去の過ちなどを隠して師範という地位にいるのだが歳になって藩の重職たちの不正を暴こうと。丈太夫は伝兵衛の過去を聞いていた。事前に対応してれば伝兵衛は死ななくてもよかったと後悔する。

「悪名」は重四郎と多野は幼いころから遊んだ仲。重四郎は悪名がたかいなかで子がなく離縁されて茶屋で働く多野の下をしばしば訪れてお互いに安息を。重四郎の悪名は藩主から密命を帯びてしたことであった。役目が終わった時多野に想いをさりげなく・。

「笹の雪」は武士の家を残すために子なくば養子をもらいそして妻を娶る。喜佐は嫁いだのだが子ができないうちに夫は女をつくっていなくなった。姑は家を守るために養子を入れようとするのだが・・。喜佐は偶然あった逃げた夫と逢瀬を重ねるのだが・・。

「面影」は幕末。半蔵と立見は井伊直弼の開国に理解を示す情報を集める仕事をしているのだが半蔵は時代の変化を感じて茶畑で生活をと考え立見にも茶畑を進めるのだが。

半蔵は立ち寄った宿で見た女性と子供と頂いた味噌汁を飲みながら子供の父親は変に加わった武士に似ていることを思い茶畑の平穏を思う。

「冬の華」は文礼は蘭方医漢方医の家に育った橘と夫婦になるが正妻だが時代は妾婦という立場であった。ケガで動こうとしない芳蔵と若い労咳で離れに住まわせざるえない娘を往診するのだが生きる意欲をもってもらおうと娘の好きな雪の結晶のついた簪を作らせようと・・・・。

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