#澤田瞳子『師走の扶持』を読む。

澤田瞳子作品。優しく自然の香りが感じられる作品。御薬園の懸人の真葛を主人公に6編の短編を収録。

『師走の扶持』京都鷹ヶ峰御薬園目録

糸瓜の水」は真葛は本草家小野蘭山の弟子として御薬園で薬草や医療を勉強していて

師の薬草採集などについて歩くのだが師の江戸への旅に同行した際競争し合う江戸の薬草園の前で倒れた老婆にであって介抱し薬草を調合し事情をたずね解決していく。

「瘡守」梅毒に病んでる宿の夫婦を助ける話。

「終の小庭」は真葛たちが江戸からの道中に共の喜太郎が小さい頃に預けたままで大きくなった娘夫婦の所で隠居することになって娘夫婦のところにいくのだが娘夫婦には大きな問題が起こっていた・・・・。

「撫子のひともと」は真葛に義姉から縁談を勧められるのだが真葛はまだその気がない。しょんなことから相手に会うことに。相手には小娘が片思いしていて・・・。

「ふたおもて」は義母の命日に使用人と墓参りの際取引先の薬問屋の主人と一緒にあるく女性を見てしまう。薬問屋の息子は父が仕事に精を出さなくなって困っていた。真葛が調べると思わぬ事情が隠されてた。

「師走の扶持」は棚倉家は母の実家。父は元岡家なのだが母は元岡家から許されず、母はなくなり父は行方不明という状況で真葛は知り合いの藤林家で娘のように育てられたという真葛の身の上なのだが棚倉家から病を見て欲しいという連絡が・・・・・。

師走に米1俵ほどが送られてくる他は交際がまったくなかったのに・・・。

☆☆☆

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