鳴神響一『斗星、北天にあり』を読む。

鳴神響一(なるかみきょういち)作品。初めての作家。1962年生まれ、東京都。中央大法学部卒。能代市など出羽の国を統治した安東家を描いた歴史小説。合掌連衡の戦国の世だからせめて地図や人間関係の系図ぐらいはつけた方がいい。フリガナもなるべく多くつけてくれたら読む人は助かるなあ。

『斗星、北天にあり。』

安東家は蝦夷とも交流もあるが出羽の国に檜山安東家を宗家として湊安東家と相並び相克の間に。そんな中で安東愛李(ちかすえ)が父の死とともに15歳で宗家を継いだ。

安祥和尚の教え受け、「一即一切」・「載舟覆舟」・「枉尺直尋」の考えのもと領民のために意を尽くし、また三顧の礼で智者奥村宗右衛門を迎えて仁政を敷くのだが世は群雄割拠の時代で戦に明け暮れる。とくに湊安東家との確執解消に意を尽くす。

妻佐枝との夫婦愛や津軽の相川家の異人との娘の汀との恋も描かれる。結局湊を整備し城を作り,交易を盛んにし当初の石高よりも10倍ぐらいの石高に押し上げる。

ついに都の噂で「北斗星の星のような人が奥羽にいる。」といわれる。

信長と交流を持ち愛李は49歳で亡くなるのだが子孫は江戸・明治まで栄えたという。

松前大舘に安東家西奉行となっていた蠣崎李広は一族で上ノ国花沢の話も出てくる。

その意味では興味がでて読めたが…。登場人物が多すぎて・・・・。)

☆☆