冲方丁「戦の国」を読む。

冲方丁作品は初めて読む。「うぶかたとう」と読むらしい。「天地明察」が

評判になった作家らしい。43歳、岐阜県生まれという。

「戦の国」

 信長から秀頼までの戦に関わる考え方の6つを短編として集められた本。

 「覇舞謡」では信長が能楽の「敦盛」を好み、人生の儚さを逆に開き直った

  信長を描き、「五宝の矛」では長尾景虎晴影のちの上杉謙信小さい時から

  才能を表して兄を援けて越後の制圧を描き、「純白の鬼札」では明智光秀

 なぜ信長を攻めたのかを視点を変えて描く。「燃える病葉」では大谷吉継

 身体が動けぬながら頭だけで戦の先頭にたった姿が描かれる。「真紅の米」

 は関ケ原の戦い小早川秀秋の裏切りによって西軍は負けたとされるのだが

 その真実が秀秋の境遇から明かされる。「黄金児」は関ケ原後の秀頼の

 心模様が描かれる。

 戦国時代を復習するように読める本であり作者の新鮮な解釈もあちこちに。

 ☆☆☆

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